海外就職のデメリット4つ

先日、海外就職のメリットをご紹介しました(前の記事はコチラ。

では、逆に考えられるデメリットについても見てみましょう。

① 年金

海外で働く場合、原則としてその国の社会保障制度に入ることになります。そのため、日本の年金を全く払わない状態になる、または日本の年金(国民年金、厚生年金)と在住国に対し二重払いが発生してしまいます。駐在員として派遣される場合は会社が日本の厚生年金を払い続けてくれる場合がほとんどでしょうが、現地採用として海外で働く場合、日本の年金を任意で払わなければ将来の年金額がかなり減ってしまい、最悪受給資格の年数が足りなくなる可能性もあります。

国によっては二国間政府の間に社会保障協定という制度があり、数年の場合はその国の社会保障費が免除されたり、その期限を超えた場合も両国の年金制度に加入していた期間とみなし、年金が受け取れるようになっています(もちろん額はそれぞれの国に払った分で計算されます)。2015現在、協定を締結しているのはアメリカ、英国、韓国、ベルギー、フランス、オランダ、ドイツ、カナダ、オーストラリアなど15ヵ国。年々、締結国は増えてきています。自分が行こうとしている国と締結があるか、またその国の制度をしっかりと事前にしらべてみましょう。

 

② お給料

現地採用として海外で働く場合、お給料は現地人の水準が基準となり、物価や賃金の安い国では日本で働くよりも、お給料が低くなる可能性も覚悟しなければなりません。日系企業で働く場合は日本語が重用されるので、現地人よりは多少高くなる可能性はありますが、国や会社、経験などによるので何ともいえません。また、月額のお給料は大差なくとも、日本とはボーナスや昇給といった制度も異なりますのでよく調べてから就職を決める必要があります。同じ会社で働く駐在員とは待遇の差は歴然。

ただし、これも自分次第。スタート地点にとどまっている必要はありません。スキルを磨いて、現地人トップに認められて昇給・昇格することも、ステップアップとして現地の他の会社に転職することも可能です。逆に物価の高い国では同じような職種でも日本以上に高いお給料が望めますし、生活がガラッと変われば月々の出費が少なくなることも考えられるので、お給料が低いからと言って手元に残るお金が少なくなるとは限りません。

実際の所、日本では毎晩同僚と飲み歩き、休日はショッピングで散財していた私も、海外ではそういうことがなくなり、当初年収は下がりましたが、生活はむしろゆとりができました。その後、転職とステップアップを経て、5年後には4割程お給料がアップしました。

 

③ 日本に帰って再就職できるか心配

日本の就職事情は年々変わってきていますが、まだまだ女性にとっては、年齢を重ねるほど転職は難しいと言えます。海外で働いてキャリアを積んだとしても、30代、40代になって帰国して、いちから転職活動をすることは勇気のいることです。例えば貴方が今、上場企業の正社員であったとしたら、その会社で定年まで勤めあげることの方が確かに、安定していて堅実な道かもしれません。でも、どんな大きな会社も10年後、20年後、どうなっているかなんてわかりません。ある日突然職を失うことは、誰にでも起こりうること。あまり根拠のない先の安定に縛らて、海外で働きたい気持ちを諦めたら、後悔することにはなりませんか?

これはメリットの所でも書きましたが、日本においてグローバル人材と呼ばれる、語学が使えて海外経験が豊富な人材は売り手市場。チャンスは広がっています。また、海外に出たり、今と違った世界に飛び込むことで、自分の人生を変えるような縁や出会いがあり、会社に誘ってくれる人がいたり、独立することになるかもしれません。今日本にいる貴方が思っているより、世界はずっと広いのですから。

 

④ 孤独感

海外に出てしまうと、当然日本の家族や友人となかなか会えなくなってしまいます。最初は現地で新しい人脈ネットワークを作るまで、ストレスを感じても愚痴や相談を聞いてくれる相手がいない、仕事の後や休日に一緒にすごす仲間もいない…。国にもよりますが、特に欧米では会社の同僚はあくまで社内のみ、プライベートのつきあいはきっちりと分けるという傾向が高く、会社の同僚しか知り合いがいない最初は、孤独との闘いです。こればかりはどうしようもなく、自分で何とかしなければなりません。一日も早く頼れる人、信頼できる仲間をみつけ、関係を築き上げていくしかありません。最初はなるべく外にでて、積極的に行動してみましょう。日本では会うこともなかったような人たちと知り合えるチャンスです。

一方日本の家族や友人とは、10年前ならともかく、今はメールやスカイプ、ソーシャルネットワークなど、どこにいようとつながる方法がいくらでもあります。会える回数は減っても、友達がいなくなるわけではありません。そこで切れるようなら本当の友人ではありません。本当に自分にとって大事な人は誰か、相手もちゃんと自分を思ってくれているか、見極めるチャンスでもあります。

 

何事にもメリットがある一方、デメリットもあります。が、海外就職に関してはデメリットは自分次第で何とかなるものばかりではないでしょうか。貴方が思うほど、大変なことでも、難しいことでもないのです。

自分が本当にやりたいことはなにか、この先どうなりたいか、を考えた上で優先順位をつければいいと思います。

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この記事の著者

Natsu NakaishiOrange Career 代表

大学卒業後日本で就職し、2004年にベルギー事務所へ赴任。ベルギー国内でのキャリアアップを果たし、イタリア事業所の部署スタートアップに抜擢される。並行して海外キャリア12年の経験を活かし、海外で働きたい女性のための情報サイト Orange Careerを立ち上げる。
英語圏の滞在経験ゼロから英検1級‣TOEIC950点取得、フランス語DELF B1他、オランダ語・イタリア語習得のマルチリンガル。

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