グローバル人材に関する調査

EFエデュケーションが実施した、社会人を対象にグローバル人材に関する独自調査が発表されました。

調査対象 社会人100

調査の結果、回答者の91%が「グローバル人材になりたい」と答え、また、グローバル人材に必要なスキルとしては「違う国の文化や習慣を理解する力」が最も高く、89%の回答者が必要なスキルと回答、続いて「コミュニケーション能力」86%、「語学力」80%といった結果となりました。また、海外で活かせる日本人の強みとしては「礼儀正しさ」が最も高い割合(61%)となり、「時間の正確さ」58%、「おもてなし精神や気遣い」52%の順になりました。


 

面白い調査ですが、あえてこの調査が的を得ているのか?考えてみたいと思います。

ここ数年の社会の変化、ニュースなどの報道、そして社会人の皆さまが実際に日々の業務で感じていることを通じ、9割とはいかなくとも、多くの方が「グローバル人材になりたい」と考えていることは間違いないでしょう。

ただ、100人という人数が世の社会人の意見を反映しうる人数として充分とは言えませんし、ここで回答された方々がどのような年齢層で、どんな仕事をしているのか、グローバルな場で実際に活躍されているのか、わかりません。もしかしたら、グローバル人材になりたいと思いながら、そこからは遠く離れた方々が回答されているのかもしれません。その場合、そういう人々が考える「海外で通用するスキルや強み」が、現実に沿っているのか、正解なのかどうか、調査結果や記事を全部鵜呑みにしないほうがいいと思うのです。

海外で12年働いてきた私が考える、「グローバル人材に必要なスキル」、「日本人の強み」は少し優先順位が違います。

グローバル人材に必要なスキルとして上位に挙がっている「違う国の文化や習慣を理解する力」「コミュニケーション能力」「語学力」、どれも大切ですね。でも、これだけでは足りません。もっと大事なのは、「仕事のスキル」「自分で考えて行動する」「自分の意見を言える」こと。これを身につけなければ、いつまでたっても相手に翻弄されるだけ、主体性がありません。

日本の会社は長らく年功序列でした。良い点もありますが、弊害として年齢が下の人間は自分の意見を言えない、上司の指示があるまで動かない、という中で育ってしまいます。それを破ると日本人の美徳である「和」を壊してしまい、こうした風潮の強い会社で評価を得るのは難しいため、やむを得ないでしょう。

もちろん海外の会社では上司になんでも進言できる、ということではありません。日本の会社以上に、上司の力が絶対の会社はいくらでもあります。ただし、そうした会社でも部下は部下なりに上司の指示がなくとも自分の仕事をきっちりこなし、問題点があれば、ここはこうした方がいいという根拠と意見を持たなければ、会議で発言することすらできません。海外では会議に出席しているのに発言をしない人は、その場にいらない人間と判断されても仕方がないのです。

日本人の強みとして挙がっている「礼儀正しさ」、「時間の正確さ」、「おもてなし精神や気遣い」は相手の信頼を得るために必要ではあるけども、日本人の武器は日本とビジネスをするための「正しい日本語」「日本の商習慣を知っている」こと。そしてやはり「真面目である」こと、ではないでしょうか。

以前ヨーロッパの同僚達がよく「日本人はきっちりしていて真面目だ」と言っていました。「毎朝遅刻せずにちゃんと出社するし、仕事を任せたら、ちゃんと期限までにやり遂げる」とも。社会人として当然のことではありますが、その「当然」が日本の外ではそうもいかない場合もある、ということです。

さらに言えば「愛社精神」でしょうか。行き過ぎた愛社精神は健全とは言えませんが、条件次第でさっさと競合他社に移ることが特に珍しくも悪でもない欧米では、己の利よりも会社やチームのために働く姿勢は信頼のおけるものです。

日本人の美点に自信を持っていいと思います。その良さを活かした上で語学・コミュニケーション能力、異文化に対する柔軟性、そして仕事のスキルと、主体性に磨きをかけることがグローバル人材として必要なことではないでしょうか。

この記事の著者

Natsu NakaishiOrange Career 代表

大学卒業後日本で就職し、2004年にベルギー事務所へ赴任。ベルギー国内でのキャリアアップを果たし、イタリア事業所の部署スタートアップに抜擢される。並行して海外キャリア12年の経験を活かし、海外で働きたい女性のための情報サイト Orange Careerを立ち上げる。
英語圏の滞在経験ゼロから英検1級‣TOEIC950点取得、フランス語DELF B1他、オランダ語・イタリア語習得のマルチリンガル。

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