Interview 2 「毎日が勉強」社内でキャリアチェンジ ~ ロンドン 

ロンドンで働く日本人女性のインタビュー第2弾です。とある旅行業界の会社で【ビジネス・インテリジェンス】を担当している、鶴本絵里奈さんにインタビューしてきました!

鶴本絵里奈さん

PROFILE

大学卒業後、外資系旅行手配会社の東京オフィスに就職4年後ロンドン本社へ転勤。個人旅行の現地コーディネーター、トレーナー、アナリストを経て現在ビジネスインテリジェンスを担当。英国人の夫とロンドン郊外に在住。

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Orange Career Nakaishi(以下 N: 現在旅行業界でビジネスインテリジェンス(B.I. ) を担当されているということですが、B.I.とは具体的にどんな仕事ですか?

鶴本絵里奈さん(以下 鶴本): 会社には色んなデータがありますよね。全世界の売上げ・利益、P/L、トレンド、オペレーションの過程など、それらのデータを一つにまとめて、わかりやすい情報に加工して可視化するレポートシステムを作っています。

N : アナリストとは違う?

鶴本: アナリストは別にいます。以前はアナリストがエクセルのピボットテーブルなどを使ってデータを集計分析していたのですが、本来アナリストは分析するのが仕事なので、データ収集に時間を掛けずボタンを押せば欲しいデータがでてくるように、そのシステムを作るのが仕事です。

N : それらのレポートをアナリストや経営陣が使うということですね。

鶴本 はい。

 

N : そもそもなぜロンドンに?

鶴本: 大学時代、漠然と海外で働きたいという思いがあって、海外にオフィスがある旅行手配会社に入社しました。スペイン語専攻だったのでスペインで働きたかったのですが、そこは事務所が小さく、空きポジションが出てくる可能性がなくて。3年ぐらいして、ロンドンの本社でFIT(個人旅行)のコーディネーターに空きがでたからどうかというお話をいただき、応募しました。当初の希望とは違ったものの、英語をもっと勉強したいという思いは常にあったので、留学ではなく、仕事をしながら英語も勉強できたらいいんじゃないかと。

N : 大学生の時からそのビジョンがあったんですね。そこで選ばれてロンドンに来て、最初はコーディネーターをされてましたが、個人旅行のお客さんのお世話は大変だったのでは?

鶴本: 大変でした。特に24時間緊急対応する携帯電話を、自分一人なので休暇中以外はずっと持っていなければならなかったので。

N : よく続けましたね。

鶴本: 2‐3年が限度でした(笑)。そのあと、コーディネーター職を離れて、新しいコーディネーターや予約スタッフのトレーナーになり、さらに数年後にアナリストに転向しました。

N : アナリストは職務的に旅行手配等とは大きく違いますが、きっかけは?

鶴本: トレーナーをしているときにエクセル等を使う場面があって、エクセルは得意だったんです。エクセルやSQLやプログラミングなど、奥が深いのでどんどん知りたいことがでてきて、あれもこれもと自分で学ぶのが楽しくて。その時の上司がそれを知って、だんだんとアナリスト業務を任されるようになり、最終的にシフトしていきました。そこではエリア別の予約状況やトレンド、各チームや個人の生産性・パフォーマンス分析などをしていました。

N : 全く違うポジションに転向していったのは、そうしたかったという思いもあってですか?

鶴本: そうですね。やはり旅行の手配やコーディネート業務はずっと続けるのはちょっとキツイと思ってましたし。ちょうどそのころ、英国のレジデンスを取得できたこともあって、転職活動をしてみたのですが、自分には「これ」というスキルがなかったんです。

アナリストの仕事も好きだけど先が見えてしまってて、もっとIT方面でステップアップしたいと思い始めたのですが、当時のプロフィールでは当然、紹介されるのは旅行業界か、日系の会社の事務などで、これはあまり転職する意味がないかな、と。現実をつきつけられました。

N : そこでまずは会社に残り、ITの勉強を続けていったと。

鶴本: 結構自分に合っていたのか楽しくて、勉強は全く苦にはなりませんでした。一度IBMのコースにも通いました。高かったけど・・・

N : その価値はあったと。

鶴本: そうですね。今のB.I.のポジションの募集があって応募した時に、当時ITでの実務経験はなかったのですが、そのコースを修了したことがプラスになったと思います。

N : 実際B.I.をやってみてどうですか?

鶴本: 毎日が勉強です。チームのメンバーは学生の頃からITを勉強して、それを専門でやってきたスペシャリスト達なので、違う分野から来た私はまだまだで、毎日同僚から刺激を受けています。でも今まで社内になかったシステムをつくって、出来たときは達成感がありやりがいがあります。

未経験ではなかなか難しいですが、長く働いている会社なので、業界や旅行のビジネス知識でカバーできている部分もあり、同じ社内でポジションを得られて運が良かったと思います。

N : 他の会社に転職することは考えていますか?

鶴本: そうですね、今の会社はとても好きですが、やはり旅行業界は世界情勢や為替に景気が左右されやすいし、もうすこし力をつけて他の会社でベースアップを狙いたい気持ちはあります。それに、他業界ではどのようにB.I.を活用しているのかという点にも興味がありますし、またそこから自分の視野、スキルを広げていけたらと。

N : 旅行業界に限らず、個人のパフォーマンスの良し悪し関係なく、景気悪化などの会社の事情で職を失う事はありますね。

鶴本: そういう意味で、他でもやっていけるスキルが欲しかったというのもITを目指した理由です。

N : 日系でない現地の会社に転職する場合、鶴本さんはレジデンスを持っていて英語も上手ではありますが、マイノリティー、ノン・ネイティブの日本人であることのデメリットはないですか?

鶴本: 例えば銀行などでお客様相手のポジションではネイティブスピーカーでないと、ということはあるかもしれませんが、ITはコンピューターが相手の腕勝負なので、特にないと思います。

 

N : イギリスで働いていて良かったと思う事は?

鶴本: やはりライフワークバランスがしっかりあって、仕事もある程度自分のペースでコントロールできるところです。それに、男女の機会均等はしっかりしています。女性の出産や子育ての際の勤務体系も寛容ですし。

N : デメリットはありますか?

鶴本: 日本人同士のように、行間を読むということができないので、自分の意思をしっかり表明しなければならないことでしょうか。私は一度考えてから発言したい方なので、会議などでガンガン発言する周りについていけないこともあり、それがフラストレーションではあります。

N : 生活面ではどうですか?

鶴本: 人の目を気にしないでよいことがメリットですね。例えば履歴書には生年月日を書かなくていいし、自分という人間を見てくれるので、自分が自分でいられるというか。それにロンドンは日本人が多くて助かる一方、多国籍なので色々なバックグラウンドを持った人から刺激を受けています

逆に、日本のような当たり前のサービスはなく、こちらから言わなければ得られないということはあります。後は物価が高いのと、電車がよく遅れるのがデメリットですね。

N : でも遅延が日常的過ぎて、遅刻してもあまり皆気にしなそうな・・・

鶴本: そうですね、その辺は日本と違ってゆるいです(笑)

(終)

 

 

インタビュアーコメント:

学生のころからの夢であった海外でのポジションを得られたこと、旅行の手配・コーディネーションという特殊業務からビジネスインテリジェンスという全く異なる職種に転換できたのは、単に「ラッキー」なのではなく本人の意思と努力、そして周りとの信頼関係を築き上げてきたからこそだと思います。希望のポジションを得た後もその場に留まらず、常に危機感を抱いて今後を見据えて行動していたり、全くの畑違いと思われた分野でやりがいを見つけ、スキルアップを続ける姿勢は見習いたいですね。ポジティブで明るい人柄で努力家の鶴本さん、今後も応援しています!

Date of interview : 2016.02.28

Interview by: Natsu NakaishiOrange Career

 

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この記事の著者

Natsu NakaishiOrange Career 代表

大学卒業後日本で就職し、2004年にベルギー事務所へ赴任。ベルギー国内でのキャリアアップを果たし、イタリア事業所の部署スタートアップに抜擢される。並行して海外キャリア12年の経験を活かし、海外で働きたい女性のための情報サイト Orange Careerを立ち上げる。
英語圏の滞在経験ゼロから英検1級‣TOEIC950点取得、フランス語DELF B1他、オランダ語・イタリア語習得のマルチリンガル。

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