Interview 8 パリでフリーランスのエステティシャンとして活躍

さて今回は、花の都・パリのシャンゼリゼ界隈にある高級ホテルのスパを始め、パリでフリーのエステティシャンとして活躍する女性にインタビューしてまいりました。

 

麻生美華さん Profile

大学在学中に1年間フランス・リヨンに語学留学、2年目にはパリのメイク専門学校で学ぶ。帰国・卒業後、中国・大連での勤務を経て香港の日系サロンでエスティシャンとして働く。その後再び渡仏し、フランスのエスティシャン養成学校に通い、国家資格取得。現在フリーランスとしてパリのホテル内スパ等で活躍中。

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オレンジキャリア 中石(以下、N): フランスに来たのはいつですか?

麻生美華さん (以下、麻生) 今回はもうすぐ2年になりますが、以前留学で2年程いました。

N  留学もされていたのですね。

麻生 : フランス語学科で、一年間リヨンに留学しました。でもフランスに来てみて、他の人は料理だったりファッションだったり専門的な事を学んでいるのを見て焦ってしまい、自分も何かフランス語以外に身に着けたいと思うようになり、2年目はメイクの専門学校に行くことにしました。学校は半年間だったので、その後はフリーでファッションショーや撮影の仕事なんかをやっていました。

N : そういった仕事の機会はどうやって見つけたのですか?

麻生 : 学校の創設者がメイクアップアーティストだったので、そのつてでインターン先を紹介してくれたりしたのと、後は自分でサイトを作って情報交換をしたり。

N : その時ビザはどうしていましたか?

麻生 : 学生ビザだったので、仕事はインターンとしてとか、アルバイト的なものでした。

N : その後日本に戻ったのですね。

麻生 : 卒業したかったので、そのために日本に戻りました。語学留学の1年はは単位換算できたので1年だけ休学になりましたけど。

N : 卒業後はどうしましたか。

麻生 : 卒業後すぐに海外に行きたかったのですが、自分で調べた限りでは経験がない状態では欧米はなかなか難しく、アジアの就職先を探しました。これはちょっと黒歴史なんですが(笑)、最初中国の大連で、エステ関係ですぐに働ける所が見つかり行ってみたのですが、そこは滞在ビザのステータスが曖昧で..

N : 日本で募集されてたのですよね?

麻生 : はい。中国人オーナーでしたが、日本での募集なんかは日本人がやっていました。でも研修ビザで行っているのですが、お給料を曖昧にされたり、他の日本人の同僚たちもいろんなトラブルに巻き込まれたりしたということもあり、すぐに辞めました。

N : ひどいですね。その後は?

麻生 : その後、日系の大手エステ会社が香港勤務のエステティシャンを募集していたので、それに応募し、香港に行きました。

N : 新卒で海外の就労ビザを取得するのは難しいですよね。

麻生 : そうですね、私も色々と調べましたが欧米は勤務経験がないと厳しいですね。アジアでもいろいろです。シンガポールは卒業した大学名で大分違いますし、中国も場所によります。タイは比較的簡単らしいですが・・。難しくても大企業のようにお金を掛けて専門の弁護士に頼んでいる所ではとれることもありますし、職種にもよりますね。

N : 香港での勤務はどうでしたか?

麻生 : 日本人は私と店長だけで、他は現地のスタッフだったのでコミュニケーションは英語でしたが、お互い母国語でもないので、いろんな誤解がうまれたりと大変でした。女社会でもありますし()。香港は国際的な都市なので、香港人・日本人だけのお客様でなく、さまざまな国籍の方がいらっしゃったので、肌の違いや美に対する価値観なども勉強になり、良い経験になりました。でもその会社にとって初めての海外進出だったのですが、香港から撤退することが決まってしまい、その際に会社から日本の店舗で働くことを提案いただいたのですが、やはり私は海外で働きたかったので、これを機会にずっと行きたかったフランスに行くことにしました。

N : なるほど。ところで、なぜ海外にこだわったのですか?

麻生 : 子供のころからホームステイなどして、海外が好きだったんです。大学もできればアメリカの大学に行きたかったのですが、それは親に反対されて。それで海外に強く、留学なども充実した日本の大学に入ることにしました。

N : 今回フランスには仕事を見つけてから来たのですか?

麻生 : いえ。この先も手に職をつけてやっていきたかったので、何をやろうと考えたときにやはり今までやってきたエステやメイクの仕事を目指すことにしました。フランスはエステの歴史が古く、国家資格が必要な職業で日本よりも地位が確立された職業なんです。ですのでまずはその国家資格を取るために一年学校に通い、資格をとりました。

N : 資格取得後はエステティシャンとして働けるわけですが、どこかの会社やサロンに就職しようとは思わなかったのですか?

麻生 : いつかは独立して自分の会社をやりたいと思っていたので、最初からフリーランスビザをとってフリーでやっていくことにしました。資格をとった直後にすぐフリーランスビザを申請しました。

N : フリーランスビザはすぐにとれるものなのですか?

麻生 : いえ、結構時間はかかりましたが申請中でも働けるので、その間に働き始めました。色々な推薦状や契約書などがあるとビザがおりやすいといわれていて、在学中に色んなところで研修するのですが、私はエステティシャンとしての経験があり即戦力になるということをアピールし、いくつかエステティシャンを探している所などから契約書や推薦状をもらったりしました。

N : 行動力ありますね!在学中からそういうことはなかなかできないと思うのですが。

麻生 : 仲良くなれば結構スムーズに行きましたよ。それにそういったことがビザの申請に有利になるとわかっていたので。

N : 先ほど勤務されているうちの一つ、シャンゼリゼ近くのホテルのスパにお伺いしましたが、その他にはどこでやっているのですか?

麻生 : オペラ界隈とか、サンジェルマン・デ・プレのパートナーシップを結んでいることろや、紹介で他の所に出向いたりしますし、あとは個人でやっています。フリーランスでやっている人はあまりいないのですが、例えばどこかエステの専任スタッフが辞めてしまったときに一定期間そこに替わりに行くことはありますね。

N : 着々と積み上げていますよね。会う前に経歴をお伺いした時、もうすこし年上の方だと勝手に思っていたので、お若くてびっくりしました。今までのお話を聞いていて、短期間でよくぞここまでと思います。

麻生 : 行きたかったフランスに意外に早く来られたので良かったんだと思います。

 

N : フランスの魅力は何ですか?

麻生 : 実は今働いてみて、ちょっと他に行ってみたい自分がいます(笑)。学生時代に留学した時とか、香港で働いていたときなどはフランスで働きたくて仕方がなかったのですが、多分フランスでフリーで働くという目標が叶ってしまったので、また新しいことを考えたいなと。

N : では次はどこに行きたいですか?

麻生 : 今考えているのはニューヨークですね。友人がNYにいるので話を聞いていいなぁと。ただエステでやっていこうと思うと、アメリカもエステティシャンは国家資格が必要でまた取り直さなければならないということと、就労ビザを取るのがちょっと難しいかもしれませんが・・・。エステティシャンのようなサービス業は非常に難しいですが、アーティストビザというのはあるので、メイクを専門にやってビザを取得するという手はあります。ただそれもショーで活躍したというような実績が大事なので、メイクの仕事で今後ここで実績を積んでいくか、もしくは会社を作ってそういうビザを取るか・・・まだ情報が足りないので模索中です。

N : なぜNYに?

麻生 : 私はNYとか東京のような大きな都会が好きなので、ヨーロッパのスローライフが少し物足りないと感じてしまっています。皆が忙しそうで無関心な感じの都会がいいんです。

N : でもパリも都会ではないですか?

麻生 : あんまり(笑)。それにフランスの人は皆プライベートを大切にするので、仕事に生きたい!いう所ではないような気がします。

N : なるほど。フランスで働く、フランス人と働くのはどんな感じでしょうか。

麻生 : はっきり言ってくれるので私は働きやすいです。日本人同士だと気を使ってしまいますが、フランス人とは率直に物事をハッキリと言い合えるので楽ですね。ただ、日本人と比べて返事が遅いとかだったり、ミスなど謝らないことが多いです()でもオープンな人が多いので、レストランなんかで隣の席から話けてくれるようなところは良いです。

N : パリの街中は住みやすいですか?

麻生 : そうですね。住みやすいかといえば、住みやすいです一番住みやすいと思うのは断然日本ですけどね。日本は公共の場も綺麗で清潔ですし、便利ですしね。

N : でも海外で働きたいのですよね?

麻生 : 知らない土地で挑戦することが好きなので。あとは同じ場所にじっとしていられないというか。できることなら一年ごとに別の国に移って働きたいです。今はまだ何処かに落ち着きたいとあまり思わないので、スーツケース一つでどこでも行けます。

 

N : この先のプランは?

麻生 : いつかは自分で人を雇って会社をつくりたいですね。最初はエステのお店を開くことも考えたのですが、他の事でもいいかと・・・。最初にそれをパリでやってNYに進出するのもいいかなと思っています。

N : 会社を作るというのは以前から考えていましたか?

麻生 : そうですね、割と昔から考えていました。何か自分で築き上げたい・オリジナルなものを展開したいという考えが常にあるので。

N : パリに来てからのこの短期間でここまで来れたのですから、麻生さんならどこでもやっていけそうですよね。

(終)

 

インタビュアーコメント:

大学生になる前から海外志向が強く、新卒ですぐに海外で働き始めた麻生さん。新卒で海外での職を見つけたり、パリに来て専門学校在学中からビザ取得や今後のビジネスのために顧客開発をするなど、なかなかできることではないと思います。若いうちからしっかりと自分の考えを確立して目標に向かって着実に進んでいる印象を受けました。麻生さんなら自分の会社を立ち上げいつかはニューヨークへ、というプランもきっと実現できそうです。麻生さんの行動力、見習いたいですね。

Date of Interview : 30 April 2016

Interviewed by : Natsu Nakaishi ( Orange Career )

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この記事の著者

Natsu NakaishiOrange Career 代表

大学卒業後日本で就職し、2004年にベルギー事務所へ赴任。ベルギー国内でのキャリアアップを果たし、イタリア事業所の部署スタートアップに抜擢される。並行して海外キャリア12年の経験を活かし、海外で働きたい女性のための情報サイト Orange Careerを立ち上げる。
英語圏の滞在経験ゼロから英検1級‣TOEIC950点取得、フランス語DELF B1他、オランダ語・イタリア語習得のマルチリンガル。

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