Orange Career
海外で働く

Interview 22 好きな事をして生きる~NYでウェブストア運営

小林ゆいさん プロフィール

NY在住デザイナー兼会社経営

小学5年生でHPを立ち上げるなど、幼少の頃からウェブデザインに親しみ、大学卒業後はIT企業に就職、その後アパレル企業のEC通販でのサイトデザイン・運営、ウェブマーケティング、プロモーションなどでキャリアを築く。

2015年結婚を機に沖縄に移住、個人事業主として「DIYstorePBW」前身の事業を立ち上げ、ウェディング関連グッズ販売を開始。2016年よりNY滞在。2018年に猫グッズ販売の「ねこねこぐろっさりー」立ち上げ。両事業を軸に「Forget Me Knot Design, LLC」としてアメリカで法人化。今冬にアメリカでウェブストア「YUI TOKYO」を立ち上げ販売開始。

幼いころからPCに親しむ

 

Orange Career Natsu(以下、N): 大学を卒業後IT関連企業に就職され、サイトデザインや運営を担当されていたということですが、大学でそういった専攻をされていたのですか? 

小林ゆいさん(以下、Y) :いえ、大学ではメディア社会学を専攻していました。きっかけは、幼少の頃まだ世の中にパソコンが一家に一台なかった時代に、父親の仕事の関係でうちには一人一台パソコンがあったんですね。それで覚えて、小学5年生の時にHPを立ち上げたりしていたんですね。

N: それはすごいですね。当時は大人が使い始め、覚え始めという時ですから先駆けですね。独学ですか?

Y: はい。私はモーニング娘のファンだったのですが、当時周りに同姓・同世代のファンがいなくて、HPを通じてつながりたいと思ったのが動機でした。HPを立ち上げたら同世代のファンが集まってきて、とても楽しかったです。

そうした事が社会にでてから役に立ちました。途中で洋服が好きだったのでアパレル関係のEC通販サイトをやっている会社に転職したのですが、そこでウェブマーケティングやプロモーション、SEO対策などを担当しましたが、すべてが今の自分の事業に活かされていると感じています。

結婚後個人事業主としてビジネスを開始

N: ご結婚後会社をやめて個人事業主としてスタートしたということですが、このきっかけは何だったのですか?

Y: 夫の仕事の関係で沖縄に引っ越すことになり、仕事をやめ専業主婦になりました。私は専業主婦にすごく憧れていたのでとても嬉しかったのですが、実際になってみたらとてもつまらなくて(笑)。アルバイトなどもしてみたのですが、会社で働いているときから思っていたのですが人に指図を受けて働くのが嫌な性分なんでしょうね。じゃあ自分で事業を始めればいいかと思いました。

N: なるほど。それがウェディンググッズ販売のDIYstorePBWですね。

Y: その前身です。自分の結婚式をやった時に、あまり自分が使いたいと思うようなウェディングのグッズが日本にはなかったんですよね。それで海外の通販サイトなどを探したのですが、自分でも良いと思うものを紹介できないかと思いまして。英語は全くできないのですが・・・。

N: 英語ができなくてどうやって海外の通販サイトからビジネスを?

Y: Google翻訳などを使ってます(笑)。なんとかなるものですよ。

最初はそうした海外の通販グッズのアフィリエイトをしていましたが、ある時自分の結婚式で使ったアメリカの業者のグッズを委託販売できないかと思いました。とは思っても、いきなり見知らぬ日本人が委託販売したいなどと言っても相手にどう反応されるかとしばらくウジウジ悩んでいたのですが、夫にメールしてみたらと背中を押され、連絡を取ってみたところ話が決まりました。その人も最近日本からの注文が増えてどうしてだろうと思っていたようで、それが私のアフィリエイトの影響だと知って、じゃあ売って下さい、と。 

N: その思いつきは素晴らしいと思いますし、何より行動ですよね!

Y: はい、英語ができないからどうとか考えると思うのですが、連絡してみて良かったです。その時は自分が将来アメリカに来るとは思っていなかったのですが、こちらに来てから実際にその人に会う事もできました。

N: そういう出会いも生まれて良かったですね! 委託販売という発想はやはりご自分の経験からきたものですか?

Y: はい、お金というよりは海外の可愛いものを日本のみんなに知ってほしい、という思いからです。そのアメリカの業者さんを含め何人かの海外商品を委託販売をしていたのですが、しばらくして自分でもできるのではないかと思い、作ってみることにしました。

N: なるほど。それで今はご自分でデザインされたものを販売されているのですね。

アメリカ・NYへ

N: さて、2016年にNYに拠点を移されたという事ですが、これは旦那様の関係ですか?

Y: はい。夫の仕事の関係でNY勤務となりました。私はE2ビザ(配偶者ビザ)をとっていただき、労働許可証を取得して、DIYstorePBWの仕事を継続しました。

: 日本の顧客への発送業務はどうされているのですか?

Y : 幸い、自分でデザインを始めて半年ぐらいで手が回らないほど忙しくなり日本で4名アシスタントを得るまでになりましたので、発注業務や印刷・発送などはその人達に任せています。

: 順調ですね。

もうひとつの「ねこねこぐろっさりー」の事業は今年から始めたということですが、きっかけは何ですか。

Y: 元々猫が大好きなのでずっと猫の仕事をしたいとは思っていました。ウェディングの仕事が順調で実現していませんでしたが ある時、インスタでレスキュー団体がアップしたとてもひどい状態の猫ちゃんの写真を見つけました。思い出すだけで悲しくなるのですが、目が腫れて飛び出し、あごも骨折して食べられず、全身骨折だらけ。それが事故ではなく、人の虐待によるものでした。(https://www.instagram.com/tuna_melt6/)

それで私がその猫ちゃんに対し何かできないかと思い、そのレスキュー団体に寄付をしたのですが、度重なる手術やケアでこの子には継続的な金銭援助が必要になります。だったらこの子のために継続してお金を得たいと思いました。それで自分しかできないことをと思い、猫関連グッズのデザインを始めました。

N: その仕事はご自分一人でやっているのですか?

Y: はい、これは自分で100%やりたいと思い今の所は自分だけでやっていて、販売の一部をそのレスキュー団体に寄付しています。また、お客さんも100円商品代金に上乗せしてその分寄付できるというオプションをつけています。

: ちなみにその猫ちゃんは今?

Y: 元気になりました!片目は見えないですが、他はほぼ元通りになりお金持ちの飼い主さんが見つかって、シンデレラストーリーのようです(笑)

N: 良かったですね!小林さんの動機も素晴らしいと思います。人助けというか猫ですけど、そういうものが目的としてある人は強いと思います。

Y: 自分で仕事をするようになってから、猫ちゃんとか他の人とか、自分以外のものに目を向けたりそのために働くという余裕ができたように思います。

NYで事業を法人化、アメリカで販売開始へ

 

N: 7月にねこねこぐろっさりーとDIYstorePBWの事業をNYで法人化されたということですが、これは大変でしたか?

Y: いえ、一日でできました。もともと税金はアメリカで払っているのですが、税理士さんに相談した所、会社名だけ考えてといわれ決めたら一日で手続きしてくれました。費用も思ったほどかからず、誰でもできるみたいです。

N: そうなんですね。もっと難しいものと思っていました。今冬からアメリカでもWebstoreを立ち上げるということですが。

: つい先日開始できました!ニューヨーク在住日本人向けの新聞でも取り上げられました。(「NYジャピオン」2018年12月21日号)

 

NYでの暮らし、これからのこと

 

N: アメリカでの活動も活発ですが、NY暮らしはいかがですか?    

Y : とても居心地が良いです。私、日本では変だってよく言われていたんです。でもアメリカでは「変」というのは「Special」だと、カリフォルニア在住の従弟が言ってくれました。ここでは誰かがこんな自分を褒めてくれるし、認めてくれている気がして以前より自分が好きになりました。

  英語ができなくても何とかなりますし、言葉がわからないと無駄な情報が入ってこないので嫌な所が見えてこないのかもしれません。このまま英語が喋れないままでいいと思っています。

N : 今後の夢や目標などはありますか?

Y: 今が幸せ過ぎて夢とかあまりないです(笑)。これからも今のように好きな事だけして、あまりがんばらないで生きていきたいです。そして世界中の猫を幸せにしたいです。   

: では最後に海外に出たいと思っている方へメッセージなどがあればお願いします。

Y: 海外に行きたいけど英語ができないとか、家でビジネスがしたいけどどうしていいかわからないという方でも、私のように英語ができなくてもなんとかなっています。がんばるとか努力とかそんなに必要なくて、あまり自分を追い込まずに好きな事をしていればいいのではと思います。

N : ありがとうございました。


インタビュアーコメント

家族の都合で国内外に引っ越しをするケースは特に既婚女性にはよくあることです。そしてそれまでの勤め先を辞めなければならないとなった時、小林さんのように、ウェブストアという場所を選ばない働き方はとても理に適っていて理想的です。今の時代それはアイデアと工夫次第で誰しもにチャンスがあります。ただしそこには自分の特技であったり、道を切り開く行動力があってこそ。小林さんのように、楽しみながら成功を収めた過程は参考になります。

また、同調圧力の強い日本を飛び出しNYで自分らしくのびのびとしているお姿が印象に残りました。今後のご活躍がますます楽しみですね。

Interview by : Natsu (Orange Career)

 

ABOUT ME
Natsu
大学卒業後日本で就職し、2004年にベルギー事務所へ赴任。ベルギー国内でのキャリアアップを果たし、イタリア事業所の部署スタートアップに抜擢される。並行して海外キャリア12年の経験を活かし、海外で働きたい女性のための情報サイト Orange Careerを立ち上げる。 英語圏の滞在経験ゼロから英検1級‣TOEIC950点取得、フランス語DELF B1他、オランダ語・イタリア語習得のマルチリンガル。